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【小論文・読書感想文】文章を書くことに抵抗がないことの重要性について考える

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校生が総合型選抜での大学受験を選択したり専門学校の選抜試験などに必要になったりして、急に作文や小論文を書く機会ができることがあります。ところが、SNSなどへの投稿以外に文章を書くのは小学生以来かも、と言って戸惑う子が少なくありません。

 

小学生の時には夏に読書感想文を書く機会があったかもしれません。しかし、その読書感想文が返ってきたのを見ても特に先生からの一言感想はあっても指導というのはあまりなかった覚えがあります。

作文などが苦手なうちの子が一度講座を受講したことがあります。その時に学んだ方法は、
①まず言いたいことを書く
②その理由を書く
③もう1つ理由を書く
そのようなテンプレートでした。うちの子はそのテンプレートに従って忠実に書くようになってしまったため、いつも同じような文章を書くようになってしまった覚えがあります。
ところが、この同じ作文の苦手だと思っていた子が、アメリカで小学校に通う機会があり、うまく使えない英語を駆使して書いた英語の作文は、驚くほどの素晴らしいものでした。自分が知っている数少ない英語で、なんとか思うことや情景を表現しようとしたその作文に当時の担任の先生も絶賛してくださったのです。
つまり、私が勝手に「作文が苦手である」と決めつけていた我が子は、自分の中に積もっていたたくさんの日本語から自分の思いをより適切な日本語で表現するのが難しい、と思っていただけなのかもしれません。英語はまだそんなに溜まっていなかった段階で、それを使いこなすことの方が簡単だったのかもしれないのです。そうであるのに、私は余計なテンプレートを学ばせてしまったためになんだかつまらない表現をするようになってしまった気がします。

子供が成長する過程で国語を勉強することを「日本語を習得する」と考えてみます。英語を勉強するときにはリスニングスピーキングリーディングライティングという4技能が必要となりますが、日本語についても同様に考えることはできないでしょうか。つまり、赤ちゃんの頃から日本語を聞き続け(リスニング)、やがて話せるようになり(スピーキング)、学校へ上がると読めるように(リーディング)なります。そしてまた書くこと(ライティング)もできるようになります。いろいろな人の中で社会生活を送るにつれ、聞いたり、話したりするレベルは自然に上がっていくように期待されます。また読む、ということについても教科書の内容や読書のレベルは徐々に難しいものになっていくのに対し、書くことについて、自分が書いたものを評価してもらったり、そのレベルが上がっていくような指導を特にされた覚えが私の中にないのです。つまり書くことについても自然に上がっていくように期待されているような。

けれど実際には聞くことも話すことも書くこともトレーニングは必要なのです。
最近では英語についてはリーディングだけでなくリスニングやスピーキング、ライティングの技能が必要なことも認知されてきており、私の学生時代よりはその学習に時間が割かれるようになっているようです。国語についても同様に考えてほしいのです。
教育という過程の中で、受験することが目的になっている今は国語という教科は割と軽視されやすいような気がします。けれど実は問題文の読み取り能力などに重要なカギを握っているのです。共通テストも国語以外の教科で文章の読み取り能力を必要とする問題が多くなっています。国語はすべての教科の基礎とも言えるでしょう。もう少し重要視するべきです。

文章を書く、というのは表現活動の一つになります。自分の中のぼやっと感じられている考えや思いにああでもないこうでもないと適切な言葉を当てはめてみて、そのあとそれを論理的に組み立ててることによって他の誰かに思いを伝えられる形にする、という活動です。誰かに伝えられる前に、自分が自分を理解するのにも役に立ちます。適切な言葉と書きましたが、適切な言葉をどれだけ自分の中に貯めているのか、ということが実は文章を読む量に関わっています。またそれ以前に書かれた文章を理解できないと、自分の考えなどは出てこないでしょう。人とコミュニケーションを取ることからもたくさん言葉はもらえるでしょうけど、読書からはより一層言葉をもらえると思うのです。SNSでたくさん読んでるよって人は少し考えてみてほしいのが、それらの文章はあなたが使ってみたいと思える言葉を使っているでしょうか。口語に近すぎる文章ではないでしょうか。

いろいろ思いを述べ過ぎました。では具体的に書くことをスタートさせましょう。毎日一文でいいから日記を書いてみませんか?テーマは「今日一日の中でできたこと」です。たいしたことでなくていいです、たとえば私の日記には、

綺麗な夕焼けをみることができた

などが書いてあります。
書くことに抵抗感がなくなってきたら、その後、テーマを一つ考え、書いてみます。たとえば、

私の好きな本の紹介

などです。テーマを考えるのも、またいい訓練になるかもしれません。

まず書くことに慣れるという目標はこのように日記や一人でテーマについて書き続けることで果たせるでしょう。しかしレベルアップのためには一人でやり続けることはおそらく難しいです。なぜならその文章を誰かに見てもらいたくなるからです。自分が信頼のおける人に読んでもらって、あなたが書いた文章でどんなことが感じられるか、尋ねてみましょう。あなたが言いたかったことは伝わっているでしょうか?そのやりとりが大事な気がします。