公式をまだ完璧に覚えていないので、覚えてから問題を解きたい、と思う気持ちは分かります。私も高校時代はそういうタイプの人間でした(でも完璧にはならないんですけど)。このタイプの人が思っていることは、公式を完璧にして、練習問題の正解を次々に導き出すことが大事だと思っているのかもしれません。正解を導き出きだせないのではないか、という不安な思いを抱いているのです。
けれど実は公式を覚えるだけでは練習問題を簡単に解くことはできず、公式を利用する方法を練習問題を解くことによって身に付ける必要があるので、その際に公式を確認しますから「公式を完璧にする」という作業は無駄なのです。試験範囲の教科書が終わったら、不安に思わずに問題をどんどん解いてほしいです。問題を解きながら、自分が覚えていないと思われる公式をその都度見直す方が絶対に身に付き、そして同時に応用力が鍛えられます。
問題が解けないことを不安に思う必要はないです。むしろ体当たりする気持ちで向かっていってほしいです。高校時代の自分は問題が解けないと不安に思い、どんどん数学を勉強するのが億劫になりました。人間は誰でも不安に思うことを続けるのは心理的に辛いですね。解けない問題に出会ったときには、「自分がまだできていないところを教えてもらえるんだなあ」という感じで前向きに捉え、解法を上から少し見てヒントをもらい、もう少し考えたりして、脳内に新しい考え方の道筋を作ってください。最後まで解いてみたら、この問題を解くときに自分に足りなかったものは何か、を考えてみてください。そうすることで、自分がまだうまく利用できていない公式や考え方のことがわかるので、その分野の問題をあと少し解いてみたりして対策を練りましょう。
繰り返しますが大事なことは、自分がまだできていないことを教えてもらうために問題を解く、ということです。だから問題が解けなくてもいいのです。